5月13日新宿ワープでの一夜(仮)
週末がついにやって来た。
待ちに待った週末だ。仕事を終えたスナフキンは定時で会社を出て、自宅に戻り出撃の準備をした。
というのも、この日は約1ヶ月ぶりに新宿ワープでのゲームを行うからだ。
ウイングは前から約束をしていた、自分の師匠である。既にTwitterを消し、界隈の最前線からは退いてしまったが、実力は折り紙付きであり、ストリートナンパのイロハはこの方から教わったと言っても過言ではない。
集合時間は0時前と遅い時間だった為、スナフキンはそれまで渋谷でストをすることにした。
この日は雨が降っており、テンションが下がっていた。これは私だけでなく、街全体が落ち込んでいるようにも感じた。こんな夜だからこそ、魅力的な女性と出会えるような気がしていた。
「こんばんは、この格好じゃ寒いでしょ」ガンシカ
喫煙所に行き「お疲れ、寒いね」ガンシカ
今日のスナフキンはオープナーにキレがないようだ。髪型が上手く決まらなかったのも要因だと思った。
時間切れになり、渋谷から撤退し、山手線で新宿へ向かう。
新宿ワープへ入り、フロアを軽くサージングする。箱の比率は7:3と男が圧倒的に多い。しかしそのほとんどが余裕のない野生だった為、スナフキンの敵ではないように感じた。
クラブでは、自分のモチベーションとマインドを常に最高値に保ち続けなくてはならない。
常に「自分が一番カッコいい」と自己暗示を掛け続けるのだ。
1ヶ月続けると、普段の生活から変わる。
マインドが下がりそうになった時、スナフキンは鏡の前へ立ち
「この場で一番カッコいいのは自分である。今日は必ず勝てる。」
と自己暗示を掛ける。
ビビッとくる案件がいなかったのでしばらくダンスフロアで踊る。
スナフキンはクラブミュージックを聴くことも好きだ。爆音で流れるEDMと派手な照明に包まれながら酒を飲んでいるとアップルウォッチから通知が来た。
師匠だ。
師匠と合流し、メインフロアとサブフロアで声をかけていく。スナフキンは2、3言話して反応が渋ければすぐに放流してしまう。自分の切替えの早さは強みだが、取りこぼしが多いのが同時に欠点である。オープナーを放ち、反応が悪ければ最近は相手が反応するもしくは立ち去るまで自分のエピソードを話し続ける。周りから見たら頭のおかしい奴に見えるが、ごくごくたまーに案件と和めるきっかけになる。
この日はLゲしか出来ず、箱ではボズった。箱から出て、ブメを送ると同時にGTをした。
大学生のような見た目の二人がコンビニ前にいた。一人はトッポい雰囲気、もう一人はギャルっぽい雰囲気だ。
ギャルの方は袖が透けている服を着ていた。
「なんで網戸みたいな服着てるの??」
「いや、網戸じゃないから!」
軽く笑わせることができたのでそのままマシンガントークで笑わせて、一気に警戒心を下げる。そしてある程度話した所で自己開示と他己開示のフェーズへ入る。
その様子をみて師匠がアシストに入ってくれた。しかし、師匠は俺が行きたいギャルの案件と話し込んでしまった。そして師匠は一気にLゲまで済ませる。
師匠は相手と会話をしている。自分は尋問やスピーチをしている。
師匠はブメが帰ってきた案件と合流するらしくその場を離れた。
残されたのは案件二人と俺一人。
近くにはホスト風の男が三人。
ホスト風の男が俺と案件の会話に混ざる。
「これから帰ろうと思ってて」
スナフキンはこの状況を利用し、ホスト三人と案件一人、そしてギャルと俺でセパレートすることを試みた。
しかし「一緒に帰る」とグダられたので、計六人で駅まで行くことに。
スナフキンはここで案件のホールドに必死になりすぎたのだろう。
駅に着き、四人はJR、自分とギャルは小田急線だったのでセパレートに自ずとなるはずが、ギャルは無言で立ち去り、JRへ乗ってしまった。
事実上の逆放流。すごくムカついたが、自分の食いつきがほとんどなかった点と無理やり連れて行こうとした感じもあったので敗因となった。
男慣れはしてなさそうだったので、トークの内容をやや野生よりの無難なモードにチューニングを合わせるべきだったのだろうか。